こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
歯並びが悪いと、滑舌に影響を与えることがあります。例えば、歯並びが原因で舌や唇の動きが制限されている場合や、歯と歯の間から空気が漏れる場合などは、滑舌が悪くなるでしょう。
今回は、歯並びが滑舌に与える影響と矯正治療中の滑舌について解説します。
目次
歯並びが悪いと滑舌が悪くなる?
歯並びが悪いと滑舌が悪くなることがあります。発声には歯列以外に、舌や唇などの動きが関係しているからです。
唇や舌の動きが制限されやすい
唇や舌が自由に動くことで、言葉をはっきりと発することができます。不規則な歯並びは唇や舌の自由な動きを妨げ、発音を邪魔することがあるでしょう。発音がうまくできないと、滑舌が悪くなります。
特に、タ行の音を発する際は舌を上歯茎の裏側に付ける必要がありますが、出っ歯や反対咬合の場合、舌が上顎に正確に接触しづらくなります。また、マ行の音は口を閉じて発音するため、口蓋が高いなどの口の形状の問題から、発音しづらくなって滑舌が悪くなるでしょう。
歯並びに問題がなくても、歯のアーチが狭いと唇や舌が十分に動かせず、滑舌が悪くなります。
歯と歯のすき間から空気が漏れる
噛み合わせの際に上下の歯にすき間がある場合や前歯にすき間がある場合、発音に影響が出ます。歯のすき間から空気が漏れるため、正確に発音できなくなるのです。
サ行やタ行のように、舌の動きと空気の流れが重要な音を出す際に特に影響します。例えば、歯の間にすき間があると「さ」の音が「しゃ」のように聞こえることがあります。空気が漏れることが原因で発音が困難になり、言葉を理解してもらいにくいという問題を引き起こすのです。
歯の矯正をすると滑舌はよくなる?
歯列矯正を行って歯を最適な位置に動かすことで、滑舌がよくなる可能性があります。
しかし、矯正治療中は滑舌が悪くなる方が多いです。これまで口の中になかった装置を装着するため違和感があり、慣れるまでは話しにくさを感じるでしょう。
装置による話しにくさは一時的なもので、徐々に改善されることが多いです。矯正治療で歯並びが整えば、滑舌の問題を克服できるでしょう。
矯正治療中に滑舌が悪くなる原因
前述したように、矯正治療中は口の中に矯正装置を入れるため舌の動きが制限されやすく、滑舌が悪くなることがあります。装置に慣れると改善する場合が多く、矯正装置を取り外すと通常どおり発音できます。
表側矯正(ワイヤー矯正)
表側矯正とは、歯の表面にワイヤー状の矯正装置を取り付ける方法です。基本的に、ワイヤーが直接滑舌に影響を及ぼすことは少ないです。
しかし、一部の症例では、上下の歯にゴムをかけて歯を動かす必要があります。ゴムが発音に影響を与え、滑舌が悪くなることがあるのです。
矯正装置は治療が完了するまで取り外すことができません。矯正治療は歯並びを改善しますが、治療中は滑舌に一時的な影響が出るでしょう。
裏側矯正(ワイヤー矯正)
裏側矯正は、歯の裏側にワイヤー状の矯正装置を取り付ける方法です。表側矯正とは異なり、裏側矯正は舌の動きに直接影響を及ぼします。装置が舌の動きを制限するため、滑舌が悪くなる可能性が高いです。
裏側矯正も表側矯正と同様に、治療が完了するまで矯正装置を取り外すことができません。装置が口の中にあることに慣れて改善されることはありますが、矯正治療が終わるまでは滑舌が悪くなる可能性があります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、プラスチックで作られた装置で歯並びを整える方法です。薄いマウスピースを使用するため、装着時の違和感は少ないです。また、滑舌への影響も比較的少ないとされています。
マウスピースは、患者さまの好きなタイミングで取り外すことが可能です。人前で話す必要があるときなどは外せるので、滑舌や話しにくさを気にする必要はないでしょう。
マウスピースのサイズが正しくない場合や装着方法に誤りがある場合は、滑舌が悪化する可能性があるので注意しましょう。
矯正治療中に滑舌が悪くなったと感じた場合の対処法
マウスピース矯正は装置を取り外すことが可能なため、滑舌が悪くなった際のさまざまな対処法が存在します。マウスピース矯正中に滑舌が悪くなったときの対処法は、以下のとおりです。
正しく装着できているか確認する
マウスピースが正しい位置に装着できていない場合、違和感や異物感が強くなります。舌の動きを妨げるため、滑舌が悪くなるでしょう。
滑舌よりも問題になるのは、マウスピースの装着方法が不適切だと、矯正力が損なわれることです。歯に適切な矯正力がかからず、治療効果が下がるのです。
マウスピースの装着方法に不安がある場合は、必ずクリニックに相談して確認してもらってください。正しくマウスピースを装着して矯正治療の効果を最大限に引き出し、滑舌も改善しましょう。
大きさが合っているか確認する
マウスピースが小さすぎる場合は異物感が強くなり、滑舌に影響を及ぼす可能性があります。大きすぎる場合は、少しの衝撃でマウスピースがズレる・外れるなど、滑舌に影響を与えるでしょう。
また、マウスピースは歯の動きに合わせて新しいものに交換しなければなりません。決められた期間を無視して同じマウスピースを使い続けたりマウスピースの順序を間違えたりすると、違和感が強くなり滑舌を悪化させるでしょう。
チューイーを使用する
マウスピースの正確な装着は、滑舌の改善に非常に有効です。
チューイーとは、シリコン製のパイプ状のアイテムで、マウスピースをより密着させるための道具です。マウスピースを指で装着したあと、チューイーをガムのように噛んで、前歯から奥歯へと順に押し付けます。
ただし、上下の歯を強く噛みしめるとマウスピースが破損する可能性があるので注意してください。チューイーを使用すると、マウスピースを歯の奥深くまでしっかりと装着することができます。適切に装着したマウスピースは、滑舌の悪化を防ぐだけでなく、矯正効果を最大限に発揮するでしょう。
発声練習をする
滑舌を改善するには、発声練習が有効です。発声練習の方法を3つご紹介します。
発声トレーニング
滑舌の改善には、プロの役者やアナウンサーが行う発声トレーニングが有効です。母音だけで話す練習は、明瞭な発音を促進し、口の中での音の響きを体感できるでしょう。
また、腹式呼吸を意識することは、発声の基本です。深く大きな呼吸を行うことで声量が増し、はっきりとした発声が可能になります。
発声トレーニングを行うことで、通常は難しいと感じる言葉もはっきりと力強く発声することができます。発声トレーニングは日常的に続けることで効果を発揮するので、少しずつ習慣にしましょう。
あいうべ体操
あいうべ体操は、口呼吸を鼻呼吸に改善して口腔周囲筋を鍛え、発音をよくするトレーニング法です。日常的に口呼吸を行っていると口腔周囲筋が緩くなるため、発音に影響が出ます。
あいうべ体操の手順は、以下のとおりです。
- 「あー」と口を大きく開く
- 「いー」と口を大きく横に広げる
- 「うー」と口を強く前に突き出す
- 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
「あ・い・う・べ」の部分で声を出す必要はありませんが、効果的に発音を改善したい場合は声を出すとよいでしょう。1〜4の動作を1セットとし、1日に30セットを目安に毎日続けることで効果が期待できます。
サ行・タ行・ナ行・ラ行の練習
マウスピースを装着していると、特にサ行・タ行・ナ行・ラ行の発音が難しく感じる方が多いです。舌がマウスピースに当たるため、正確に発音するのが難しくなるのです。
まず、サ行・タ行・ナ行・ラ行の言葉を発音し、舌がどの位置でマウスピースに触れるか確認します。そのあと、口を大きく開けて、サ行・タ行の言葉を発音しましょう。
最初はゆっくり発音することが大切です。各行の言葉がゆっくりでもきちんと発音できるようになったら、次のステップとして早口言葉に挑戦します。マウスピースを装着した状態での発音力と、舌の動きの改善につながるでしょう。
患者様の声
マウスピース矯正でお世話になっています。すばらしい歯医者さんで、父やおばさん、友達にも紹介するほどです。痛いことが苦手でなかなか歯医者さんに行けない人間でしたが、主治医の先生と歯科衛生士の方の「痛くない治療」のおかげで、2年間通うことができています。先生方は、私が痛みに弱いことを理解してくださり、丁寧な声かけをしながら治療してくださり、表面麻酔等取り入れて痛みの少ない治療法をご検討くださります。おかげさまで、親知らず2本を抜くことができましたし、歯並びも綺麗に揃ってきました。痛みが苦手な方に本当におすすめの歯医者さんです。
インビザラインで歯並びがとてもよくなり満足しています。副院長先生には大変お世話になりました。こどもが小さいので、託児付きのキッズルームがあるのがとても助かっています。こどもも楽しく遊んでもらえるので、ここに来るのを楽しみにしています。担当の衛生士さんはいつも歯の磨き方を丁寧に教えてくれるので、歯をキレイに保たないと!という意識をもてます。きちんと根拠のある理由付けをして分かりやすく説明してくれるのが納得できますし、歯医者さんでここまで丁寧に説明してもらったのは初めてでした。先生も保育士さんも、担当の衛生士さんも受付の方も、皆様親切で、今後もお世話になりたいと思える通いやすいクリニックです。
まとめ
歯並びの悪さは滑舌に影響を与えることがあります。歯並びが原因で唇や舌の動きが制限されている、歯と歯の間にすき間があって空気が漏れるなどの場合は、矯正治療で滑舌が改善されることが多いです。
ただし、矯正治療を行うことで一時的に滑舌が悪くなる可能性があります。矯正治療では、ワイヤーやマウスピースなどの矯正装置を口の中に装着することになり、装置が舌の動きを制限するためです。
表側矯正や裏側矯正は取り外しができませんが、マウスピース矯正は自身で着脱可能な矯正方法です。マウスピース矯正では薄いマウスピースを使用するため、ワイヤー矯正に比べて滑舌に影響を与えにくいですが、発音が困難という場合は、マウスピースの大きさや着脱方法を見直しましょう。
矯正治療中に滑舌が悪くなった場合の対処法として、発生練習を行うことが挙げられます。滑舌をよりよくするために、今回ご紹介した発生練習をぜひ試してください。
歯並びによる滑舌の悪さを直したいと思っている方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
奥村亮司