こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
口内炎は、お口の中の粘膜に起こる炎症の総称で、誰にでも起こり得る身近な健康トラブルです。その原因は多岐にわたります。特定の場所にできやすい傾向がある口内炎ですが、適切にケアを行うことで、症状を和らげたり再発を予防したりすることが可能です。
この記事では、口内炎の主な原因や種類、できやすい場所、症状の特徴、治し方や予防法まで幅広く解説します。
口内炎ができる原因
口内炎は、さまざまな要因が重なって発症することが多いです。その原因を以下に詳しく解説します。
栄養バランスの乱れ
口内炎の大きな要因として、まず挙げられるのが栄養不足です。特にビタミンB2やB6は皮膚や粘膜の修復を助ける働きがあり、不足すると傷が治りにくく炎症が長引きやすくなります。
また、ビタミンCが足りないと抗酸化作用や免疫力の維持がうまく働かず、細菌やウイルスに対する抵抗力が低下します。さらに鉄分が不足すると貧血につながり、血流や酸素供給が滞ることで粘膜が弱まり炎症が起こりやすくなるのです。
偏った食生活や急激なダイエットなどで栄養バランスが崩れると、口内炎が繰り返し発生する原因となります。
口腔内の乾燥
唾液はお口の中の細菌を洗い流し、粘膜を潤して守る役割を果たしています。
しかし唾液が不足すると粘膜が乾燥しやすくなり、外的刺激によって傷つきやすい状態になります。エアコンや暖房で乾燥した環境に長時間いる場合や、水分摂取が少ない場合、さらには口呼吸の習慣がある場合は口腔内が乾燥しやすく、口内炎が発症しやすくなります。
加齢や薬の副作用で唾液の分泌が減少している方も注意が必要です。
ストレス・疲労・睡眠不足
心身のストレスや疲労の蓄積、睡眠不足も口内炎を引き起こす大きな原因です。精神的なストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、体の防御機能が低下します。
加えて、過労によって炎症を抑える力が弱まり、粘膜の修復が追いつかなくなります。睡眠不足も細胞の回復を妨げ、粘膜が再生しにくくなるため、結果として口内炎の再発や悪化につながってしまうのです。
物理的な刺激
日常生活の中で起こる物理的な刺激も、口内炎の大きな要因となります。例えば硬いせんべいやポテトチップなどで粘膜を傷つけてしまったり、歯ブラシを強く当ててしまったりすると、小さな傷ができて炎症につながります。
矯正器具や義歯の摩擦によって粘膜が繰り返し刺激を受けることもあり、そうした場合は同じ部位に口内炎ができやすくなります。
また、食事中に誤って舌や頬を噛んでしまったことがきっかけで口内炎になることも珍しくありません。
細菌やウイルス感染
体調が落ちて免疫力が下がっているときに、細菌やウイルスが粘膜に感染して炎症を起こすケースもあります。ヘルペスウイルスによるものは小さな水ぶくれや強い痛みを伴い、コクサッキーウイルスでは手足口病として発症することもあります。
さらに、お口の中に常在する細菌が増殖して炎症を悪化させることもあり、感染が関与する口内炎は症状が強く出やすいのが特徴です。
アレルギーや薬の副作用
特定の食品や薬剤、口腔ケア用品に含まれる成分に反応して口内炎ができることもあります。柑橘類や香辛料などの刺激物を摂取したときや、新しく使い始めた歯磨き粉や洗口液の成分が粘膜に合わないときに炎症が起こるケースです。
また、抗生物質や降圧薬、抗がん剤など一部の薬の副作用として口内炎が現れることもあります。「決まって同じ食品を食べると口内炎ができる」「薬を飲み始めてから頻繁に発症する」といった場合は、アレルギーや副作用の可能性を考慮する必要があります。
口内炎の種類
口内炎にはさまざまな種類があり、それぞれ原因や症状が異なります。以下に代表的な口内炎の種類を解説します。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、最も一般的な口内炎で、口内の粘膜に小さな白色または黄色の潰瘍(アフタ)ができるのが特徴です。単独で発生することもあれば、複数個できる場合もあります。痛みを伴い、特に食事や会話をするときに不快感が生じやすいです。
栄養不足やストレス、免疫力の低下が主な要因とされます。また、口腔内の小さな傷が発症のきっかけになることもあります。
ウイルス性口内炎
ウイルス感染が原因で発症する口内炎で、ヘルペスウイルスやコクサッキーウイルスによるものが多く見られます。発熱や全身倦怠感を伴う場合があり、口腔内全体に水疱や潰瘍が広がることが特徴です。痛みが強く、飲食や会話が困難になることがあります。
免疫力が低下している際にウイルスに感染することで発症します。
カタル性口内炎
口腔内全体に炎症が広がるタイプで、赤く腫れたり、粘膜がただれたりすることがあります。痛みは軽いものの、食事をするときにしみることがあります。不十分な口腔ケアや義歯の刺激、熱い食べ物による火傷が主な原因です。また、細菌感染が関与する場合もあります。
アレルギー性口内炎
アレルギー反応によって発症する口内炎です。口腔内にかゆみや腫れが見られることが多く、特定の食品や薬剤が原因となる場合があります。食品(特に柑橘類や香辛料)、薬剤、歯磨き粉や洗口液に含まれる成分が原因でアレルギー性口内炎ができることがあるのです。
口内炎ができやすい場所
口内炎は、口腔内のさまざまな部位に発生しますが、特に刺激を受けやすい部分や粘膜の薄い部分にできやすい傾向があります。以下に、発生しやすい主な部位を詳しく解説します。
頬の内側
頬の内側は食事や会話の最中に誤って噛みやすい場所で、口内炎の好発部位のひとつです。特に食べ物を咀嚼しているときに歯との間で強い圧力がかかると小さな傷ができ、それが炎症の引き金になります。
また、詰め物や被せ物がわずかに合っていない場合や、歯並びの影響で粘膜がこすれる場合にも口内炎が発生しやすくなります。慢性的に同じ場所に繰り返しできるときは、歯科的な要因が潜んでいることも少なくありません。
舌の側面や裏側
舌は常に食べ物や歯と接触しているため刺激を受けやすい部位です。舌の側面や裏側は特に敏感で、硬い食べ物や辛い調味料、熱い飲み物などが触れると炎症が悪化します。
さらに無意識に舌を噛む癖がある人や、就寝中に歯ぎしりや食いしばりが強い人は、舌の側面に口内炎を繰り返しやすい傾向があります。舌の痛みは食事や会話に大きく影響するため、生活の質を下げやすい点も特徴です。
唇の内側
唇の内側は歯や食べ物が直接触れる場所で、外部からの刺激を受けやすい部位です。乾燥しやすい環境にいる人や、唇を無意識に噛む癖がある人は特に口内炎ができやすくなります。
唇の粘膜は薄いため、歯ブラシが当たっただけでも小さな傷が生じ、それが口内炎につながることもあります。さらに、冬場やエアコンの効いた室内では乾燥によって唇のバリア機能が低下し、炎症が長引くケースもあります。
歯茎
歯茎は義歯や矯正器具、さらには歯ブラシの強い当たりによって物理的刺激を受けやすい部位です。歯周病で歯茎が腫れている状態ではさらに炎症が起こりやすく、口内炎を併発することがあります。
特に矯正治療中の方は、ワイヤーやブラケットの摩擦で同じ場所に繰り返し口内炎ができることが多いため、専用のワックスなどを使用して刺激を軽減することが大切です。
口蓋(上あご)
口蓋は熱い食べ物や飲み物による火傷が原因で口内炎が発生しやすい部位です。例えば熱いスープやコーヒーをそのまま口に含んだときに上あごの粘膜を傷め、そこから炎症につながるケースが多く見られます。上あごは自分で直接確認しにくいため、痛みが続く場合には専門的な診断を受けることが望ましいでしょう。
また、入れ歯や口蓋に接する補綴物が刺激となり、炎症を繰り返すこともあります。
口内炎の症状
以下に、代表的な口内炎の症状を詳しく解説します。
白や黄色の潰瘍
もっとも典型的な症状は、白色または黄色の小さな潰瘍です。
アフタ性口内炎に多く見られ、周囲が赤く腫れ、食事や会話のたびに鋭い痛みを感じます。酸味のある食べ物や熱い飲み物に触れると刺激が強まり、不快感が増すのが特徴です。
口腔内の赤みや腫れ
カタル性口内炎では、口腔内全体に炎症が広がり、粘膜が赤く腫れてただれるようになります。痛みは軽度のことが多いものの、歯磨きや食事の際にしみるため、日常生活に支障を感じる方も少なくありません。
水ぶくれや強い痛み
ウイルス性口内炎では、水ぶくれや潰瘍が広範囲に現れ、強い痛みを伴います。口全体に炎症が広がるケースもあり、食事や会話が難しくなることもあります。
強い痛みを伴う水疱や潰瘍
感染が関与する口内炎では、局所的な痛みだけでなく、発熱やだるさなど全身症状を伴う場合があります。体力が低下しているときに発症しやすく、症状が長引くこともあるため注意が必要です。
口内炎に似た病気
口内炎に似た症状を持つ病気は多く、適切な治療を受けるためにはこれらを区別することが重要です。ここでは、口内炎と混同されやすい主な疾患について解説します。
口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)
口腔扁平苔癬は、口腔内の粘膜に白い網目状の模様や赤い炎症が現れる疾患です。痛みを伴うことが多く、特に辛いものや酸っぱいものを摂取すると症状が悪化することがあります。
ベーチェット病
ベーチェット病は、口内炎と似たような症状が繰り返し発生するだけでなく、目の炎症や皮膚の異常、関節痛など全身に症状が現れる自己免疫疾患です。口内炎が複数同時にでき、治癒後も再発を繰り返すことが特徴です。
口内炎の治療法
口内炎の治療方法は、症状や原因によって異なります。軽度の口内炎は自然に治癒することもありますが、痛みが強い場合や長期間治らない場合には適切な治療を受ける必要があるのです。以下に、口内炎の主な治療法について詳しく解説します。
市販薬の使用
ドラッグストアでは、口内炎用のパッチタイプの薬や、抗炎症成分・鎮痛成分を含んだ軟膏やジェルが販売されています。パッチは患部を物理的に保護して食事中の痛みを軽減し、軟膏やジェルは炎症を鎮める効果が期待できます。
また、抗菌作用のあるうがい薬を併用すると口腔内を清潔に保ちやすくなります。
食事療法と栄養補給
ビタミンB群やビタミンC、鉄分を積極的に摂取することは、粘膜の修復と免疫力の維持に役立ちます。緑黄色野菜や果物、魚、乳製品をバランスよく取り入れるとよいでしょう。
反対に、香辛料や酸味の強い食べ物、熱い飲み物など刺激の強い食品は避けることで、患部への負担を減らせます。
医療機関での処方薬
市販薬を使っても症状が改善しない場合や、痛みが強く食事や会話に支障がある場合は、医療機関での治療が必要です。歯科医院や口腔外科では、より強力な抗炎症薬や抗菌薬、ステロイド軟膏などを処方することで症状の改善を図ります。
歯科医院での治療
義歯や矯正器具の刺激が原因となっている場合、器具の調整を行うことで口内炎の再発を防げます。
また、口腔内の清掃やプロフェッショナルケアによって、細菌の繁殖を抑え治癒を早めることも可能です。繰り返す口内炎や治りにくい口内炎の場合は、歯科医院での診断を受けることが望まれます。
口内炎の予防法
口内炎は、日々のケアと生活習慣の見直しによって予防が可能です。以下に、口内炎を防ぐ具体的な方法を解説します。
バランスの取れた食生活を心がける
栄養不足は口内炎の大きな原因となるため、日々の食事内容に気を配ることが大切です。ビタミンB群やビタミンC、鉄分を含む食品を意識的に摂取し、粘膜の健康を保ちましょう。
緑黄色野菜や果物、魚、乳製品などをバランスよく取り入れることが予防につながります。辛い食べ物や酸味の強い食品、熱い飲み物などは粘膜への刺激となるため、口内炎ができやすい方は控えると安心です。
毎日の口腔ケアを丁寧に行う
口腔内を清潔に保つことは口内炎予防の基本です。歯垢や細菌を取り除くために、毎日の歯磨きを欠かさないようにしましょう。毛先の柔らかい歯ブラシを使用することで粘膜を傷つけるリスクを減らせます。
さらに、デンタルフロスやマウスウォッシュを併用すると、歯ブラシだけでは届きにくい部分の汚れも除去でき、より清潔な環境を保つことができます。
ストレスをためない生活を意識する
ストレスは免疫力を下げ、口内炎を引き起こす要因となります。趣味や運動など自分なりのリフレッシュ方法を取り入れ、心身のバランスを整えることが大切です。
十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送ることも免疫力を高めるポイントとなります。
口腔内の乾燥を防ぐ
乾燥した環境では唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなります。こまめに水分補給を行うとともに、冬場やエアコンの効いた部屋では加湿器を活用し、適度な湿度を保ちましょう。唾液の分泌を促すために、よく噛んで食べる習慣を意識することも予防に役立ちます。
生活習慣を見直す
喫煙は口腔粘膜に強い刺激を与え、口内炎を悪化させる原因となります。禁煙や減煙を心がけることはもちろん、適度な運動を取り入れることも大切です。血流や代謝が改善され、免疫力の向上につながります。規則正しい生活習慣を身につけることが、口内炎の再発予防には欠かせません。
患者様の声
当院で治療を受けた患者様のお声をご紹介します。
当院で治療を受けた方の口コミ1
非常に丁寧な施術でスタッフの方も親身になって話を聞いてくださり、安心して通える頼れる歯医者さんです。
当院で治療を受けた患者様の口コミ2
とにかく清潔感あり、先生の腕前は申し分ありません。作業が早いし、丁寧に説明があるのが、嬉しい。歯科衛生士の方々もテキパキ動き、手際良い感じ。気持ちよく受診させて頂きました。
まとめ
口内炎は、口腔内の粘膜に起こる炎症の総称です。原因には、ストレスや栄養不足、乾燥、物理的な刺激などが挙げられます。特に、ビタミンB群やビタミンCの不足、免疫力の低下が発生に深く関与しており、適切な口腔ケアや生活習慣の見直しが重要です。
口内炎にはいくつか種類があり、それぞれ症状や治療法が異なります。軽度の場合は自然に治癒することもありますが、適切なケアや市販薬を使用することで早期改善が期待できます。症状が長引く場合や重症化した場合には、早めに歯科医院を受診しましょう。
口内炎にお悩みの方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
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奥村亮司