こんにちは。兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科です。
根管治療は、細菌感染が歯の神経にまで達した際に汚染部分を取り除くために行われます。治療は麻酔を施した上で行われるため、処置によって痛みを感じることは基本的にありません。
しかし、神経の一部が残っていたり再感染が起こったりした場合には、処置中や処置後に痛みが生じることが考えられます。
本記事では、根管治療の流れや痛いと感じる原因、痛みの持続期間、対処法などについて解説します。治療を検討している方や処置をした箇所の痛みで悩んでいる方などは、ぜひ参考にしてみてください。
根管治療とは
歯は、表面からエナメル質・象牙質・歯髄の3つの層で成り立っています。歯髄とは、神経や血管が通っている部分のことで、歯髄が入っている管のことを根管といいます。
根管治療とは、歯髄まで細菌感染が進んだ際に、内部の感染部位や汚染物を取り除くための処置のことで、抜髄と感染根管治療の2つに分けられます。
抜髄とは、細菌感染による炎症によってダメージを受けた歯髄を取り除く処置です。歯科治療で神経を抜くという言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、抜髄がそれに当たります。
感染根管治療とは、歯の根っこにまで感染が進んだ場合に、歯の根っこに溜まった細菌や汚染物を取り除く処置です。
根管治療では、少しでも細菌の取り残しがあれば再感染を起こすため、何度も洗浄と消毒をくり返し行う必要があります。そのため、治療期間が数ヵ月かかるケースもあります。
根管治療の流れ
治療の流れは、以下の通りです。
麻酔をして虫歯を取り除く
根管治療は、麻酔を施して痛みを感じないようにしてから行われます。麻酔が効いていることを確認した後、歯に穴を開けて歯髄を露出させます。虫歯がある場合には、虫歯も丁寧に取り除きます。
抜髄・感染根管治療
ファイルやリーマーと呼ばれる細い針のような形状の器具を用いて、感染した歯髄や汚染物を除去します。再治療の場合には、以前に詰めた充填剤の除去も実施します。
根管内の洗浄と消毒
内部の汚染物を除去した後は、専用の薬剤で内部を洗浄・消毒します。完全に細菌を除去できるまで、複数回にわたって洗浄と消毒を繰り返します。
仮蓋を装着する
根管内の洗浄と消毒が一旦終了したら、内部に薬剤を充填して仮蓋を装着します。仮蓋を装着した後は、1週間程度おいてから内部の薬剤を交換し、さらに洗浄と消毒を繰り返します。
処置にかかる回数は内部の状態によって異なりますが、少なくとも3~5回程度繰り返すことが一般的です。感染の状態が酷い場合には、5回以上繰り返すことケースもあります。
根管充填
内部が完全にきれいになったことを確認できたら、内部に樹脂状の充填剤をすき間なく充填します。すき間なく充填することで、外部からの細菌の侵入を防ぎます。
レントゲン撮影
歯の根っこ部分にまで充填剤がすき間なく充填できていないと、細菌が入り込んで再感染を引き起こしやすくなります。そのため、充填の後は、レントゲン撮影をしてすき間なく充填できているかどうかをチェックします。
土台と被せ物の作製
充填が完了したら、土台を作って被せ物の型取りを行います。最後に、完成した被せ物を装着すれば終了です。
根管治療で痛いと感じる原因
根管治療で痛いと感じる原因は、いくつか考えられます。ここでは、処置中と処置後に分けて、それぞれの痛みの原因について解説します。
処置中の痛みの原因
処置中に感じる痛みの主な原因は、以下の通りです。
神経の取り残しがある
根管は非常に細く、複雑な構造をしています。そのため、神経の一部が取り残されるケースがあるのです。神経の一部が残った状態で処置を進めると、神経が刺激され、強い痛みが生じます。
根管内に膿が溜まっている
根管内は一度の処置できれいになるわけではなく、数回にわたって処置を進めていきます。仮蓋を装着して様子を見ている段階で、ズキズキとした痛みが出たりハグキが腫れたりすることもあるでしょう。この場合は、歯の根っこに膿が溜まっている可能性が考えられるでしょう。
処置後の痛みの原因
処置後に痛みを感じる主な原因は、以下の通りです。
施術による刺激
治療は、麻酔を施した上で行われます。そのため、処置中に痛みを感じることは基本的にありません。
しかし、麻酔の効果が切れた後に、施術の刺激による痛みが現れることがあります。このような痛みは一時的なもので、数日~1週間程度で気にならなくなることがほとんどです。
薬剤の充填による圧力
根管内を洗浄・消毒した後には、薬剤を充填します。このとき、充填剤をすき間なく詰めるために圧をかけるため、処置後に痛みを感じることがあります。充填による痛みであれば、数日程度で治まることが一般的です。
被せ物による圧迫
内部をきれいにした後に土台を作り、被せ物を装着します。被せ物は歯型を取って作製されますが、場合によっては適合性が悪くなるケースもあります。被せ物を装着した直後に多少違和感を覚えたとしても、通常であれば1週間~数週間で気にならなくなるでしょう。
しかし、被せ物が歯に合っていない場合には、1ヵ月以上経過しても違和感や痛みが続くことが考えられます。
再感染
細菌の取り残しがある状態で治療が終了したり、細菌が新たに侵入したりして再感染が起きた場合にも、炎症によって痛みが生じることがあります。
根管治療後の痛みはどれくらい続く?
治療後の痛みは、数日~1週間程度で治まることが一般的です。多くの場合、処置を受けた直後が最も痛みが強く、1~3日程度で次第に軽くなっていきます。歯髄への感染が軽度であれば、早い段階で痛みが治まるでしょう。
しかし、感染が重症化していた場合には、処置後の痛みが強く長引く傾向にあります。
根管治療後に痛いと感じるときの対処法
先にも述べた通り、治療による痛みは数日~1週間程度で治まることが一般的です。痛みや違和感が気になるときには、以下のような対処法を試してみてください。
痛み止めを内服する
治療した部分がズキズキしたり痛くて眠れなかったりする場合には、我慢せずに処方された痛み止めを内服しましょう。歯科クリニックで処方された痛み止めを使い切った場合には、市販の痛み止めを使用してもかまいません。
ただし、用法・用量は必ず守るようにしてください。
血流を促進させる行為は避ける
飲酒や運動、長時間の入浴など、血流を促進させる行為は、痛みが増す原因となります。「安静にしていると痛みが気になってつらい」という方も多いかもしれませんが、痛みを抑えたいのであれば安静に過ごしたほうがよいでしょう。
患部を冷やす
痛みが気になる場合には、頬に濡れタオルやタオルで包んだ保冷剤などを当てて様子をみるのも方法のひとつです。長時間冷やしすぎると逆効果になるので、1回15分程度を目安に行いましょう。
患部に直接触れない
痛みが気になると、患部に指や舌で触れたり爪楊枝や歯間ブラシの先などでつついたりしたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、患部を直接刺激すると感染のリスクが高まるだけでなく、痛みが増す可能性があります。患部を不用意に触ることは避けましょう。
歯科クリニックを受診する
ここまでご紹介した対処法を試しても、長期間にわたって痛みが続いている場合や徐々に痛みが増す場合もあるでしょう。トラブルが発生している可能性もあるので、無理をせずに早めに歯科クリニックへご相談ください。
患者様の声
ここでは、当院に通っている患者さまのお声をご紹介します。
虫歯治療から定期検診を受けている方
通い始めて4年目になります。初めは虫歯治療で通うようになり、今は定期検診でお世話になっています。
フレンドリーに接して下さり、いつも丁寧に説明と歯のお掃除をして頂いているため、より一層自分の歯を大切にしようと思うようになりました。
祝日に受診している方
設備も最新版で、受付の方、歯科衛生士さん、皆さんとても親切でカウンセリングにも時間取っていただき、とても安心して治療に取り組めます。祝日も診察してくれるので、とても助かります。よい歯医者さんに出会えました。
まとめ
本記事では、根管治療の流れや痛いと感じる原因、痛みの持続期間、対処法などについて解説しました。根管治療とは、虫歯などの細菌感染によって歯髄までダメージを受けた場合に、汚染物や細菌を取り除く処置のことです。
歯の神経や血管が通る管は非常に細く、複雑な構造をしているため、数回にわたって洗浄と消毒を繰り返す必要があります。処置自体は麻酔下で行われますが、処置中の刺激によって後から痛みが生じることもあります。
通常、このような痛みは数日~1週間程度で治まりますが、痛みが気になる場合には、患部を冷やしたり痛み止めを内服したりすると症状の緩和に役立ちます。痛みが長く続く場合や痛みが強くなる場合には、再感染などが疑われるため早めに歯科クリニックへご相談ください。
根管治療を検討されている方は、兵庫県宝塚市にある医療法人社団 宝塚ライフ歯科・矯正歯科にご相談ください。
当院は、0歳から100歳まで家族みんなで安心して通える歯医者を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療やマタニティ歯科など、さまざまな分野に力を入れています。
当院のホームページはこちら、WEB予約・LINEの予約相談なども受け付けておりますので、ぜひご覧ください。
奥村亮司